アリストテレスにフラれたプラトンが残した言葉。「私を蹴飛ばして行ってしまった。まるで…」
天才の日常~アリストテレス<前篇>
プラトンに学んだ若きアリストテレス
一族は代々マケドニアの王宮に使える医者で、父親のニコマコスもアレクサンドロス大王の祖父に仕えていた。アリストテレスとマケドニア王家は、代々縁が深かったのである。
だが、父が若くして亡くなったため、アリストテレスは親戚に預けられて育った。医者の一族だから、幼い頃から英才教育を受けていたのだろう。 17歳になったアリストテレスはアテネに行き、プラトンが創設した学園「アカデメイア」に入学した。
その頃はちょうど、プラトンが二回目のシチリア旅行をしていた時で、帰国するまでの間はエウドクソスという哲学者が学頭代理をしていた。アリストテレスはこの学園に約20年間在籍し、倫理学、幾何学、天文学などについてギリシア中から集まっていた哲学者たちと議論を交わすこととなる。 優秀で卓越した知性を発揮したアリストテレスを、プラトンは「学校の精神」とまで評した。 だが、プラトンの亡くなる前後の時期に、アリストテレスはアカデメイアを去ることとなる。